人生折り返しになってわかった話

どうも、すしぱくです。

ぱくたそ」が14周年を迎えました。気づけば人生も折り返し地点。中学二年生の年数分、同じサービスを続けてきたことに自分でも驚いています。

この14年、Web業界の波に揉まれながら、撮影を軸にWebマーケティングやECサイトの構築(主にShopify)、Webコンサルとしてブランディングのサポートなど、幅広く関わってきました。サービスの知名度も上がり、他業種や若い世代の方々と話す機会も増えています。今回は、そうした交流の中で感じた「失敗」と「人生の複利」について、少しお話ししてみたいと思います。

僕には、人生の師匠とも呼べる「中安」さんという方がいます。メンバーの間では「賢人」と呼ばれ、僕自身も多くの影響を受けてきました。もし中安さんがいなければ、ぱくたそは5年前に消えていたかもしれません。それくらい、僕にとっては恩人であり、大きな存在です。

ある日、中安さんがふと語ってくれたことがあります。「人生って、複利で効いてくるんだよね」と。お金の世界でよく使われる"複利"という考え方は、元本だけでなく利子が利子を生んで、時間が経つほど雪だるま式に増えていくもの。とある書籍を読んで「これが人生にも当てはまる」と感じたそうです。

「たとえば、若いうちにいろんな経験をしておくと、その経験を活かせる時間が長い分、人生全体がどんどん豊かになっていく。逆に年齢を重ねてから新しいことに挑戦しても、その経験を活かせる残り時間は短い。だから、若いうちは"失敗"も"経験"もどんどん積み上げていくべきだよ。そうすれば、その経験が複利のように人生を大きくしていくんだ」と。

僕も20代の頃、ある上場企業の役員に「若いうちに貯金なんてするな。お前が1日かけて稼いだ1万円と、俺が数秒で稼ぐ1万円は、同じ金額でも価値が全く違う。俺の年になってからその1万円を使うな。今すぐその1万円を使って経験に変えろ」と言われたことがあります。当時はピンときませんでしたが、年齢を重ねてみると、その意味がじわじわと分かってきます。

こうした「複利のような経験の積み重ね」が重要だと感じる一方で、チャレンジの仕方や難しさは世代によって大きく異なります。僕ら就職氷河期世代は、バブル崩壊後の長い不況の中で社会に出て、正社員になることすら難しい時代を経験しました。キャリアのスタートから厳しい現実を突きつけられ、非正規雇用やキャリアの停滞など、思い通りにいかないことが多かった世代です。その分、粘り強さや適応力は身につきましたが、挑戦の機会自体が限られていたのも事実です。

一方、今の若い世代、いわゆるZ世代は、デジタル技術やSNSによる情報の民主化の中で育ち、僕らのインターネット黎明期とは比べものにならないほどの情報量に日々さらされています。コミュニケーションの形も多様化し、選択肢は広がりましたが、その分、情報の取捨選択やチャレンジに伴うストレスやプレッシャーも大きくなっています。僕らの時代とは違う意味で、挑戦することのハードルや悩みがあるのだと、若い世代と話す中で実感しています。しかし、そうした環境だからこそ、Z世代には新しいチャンスや可能性も無限に広がっているとも感じます。

また、僕ら就職氷河期世代が今やそれなりのポジションにいる中で、時代の変化に対する危機感は持ちつつも、自分の立場が揺らぐような変革にはどうしても抵抗感が出てしまう。良い意味でその気持ちは理解できる一方、悪い意味では、こうした姿勢が社内政治を生み出し、組織の変化を妨げるネガティブな要因にもなっているのも事実です。要は「自分さえ引退まで安泰であればいい」と考える人が一定数いることも、この年齢になってようやく実感しました。こうした考え方が、世代間や社内での分断や停滞を生み出してしまうこともあるのだと、今は冷静に受け止めています。

だからこそ、若い人にはたくさん失敗してほしいし、その中から自分がストレスなく続けられることや、人生を豊かにするきっかけを見つけてほしいと思います。チャレンジの数だけ、人生の複利は大きくなっていく。経験という資産は、若いうちに積み上げてこそ最大限に活きるものです。

そんな思いを込めて、この記事を書きました。人生の複利を意識して、ぜひ若いうちからたくさんの挑戦をしてみてください。僕自身も、あと何回チャレンジできるのかを考える年齢になりました。まだまだ複利を積み上げていきたい気持ちはありますが、「若い頃にやっておけばよかった」と後悔しないよう、これからの人生設計も真剣に考えていこうと思っています。

最後に余談ですが、最近はコレコレさんの配信を深夜に作業しながら聴く"コレリス"になりました。暴露系が多いのかと思いきや、時代の流れをリアルタイムで感じられるエンターテインメント性が面白すぎて、思わず吐きそうになるほど(もちろん良い意味で)。ちなみに、ニッポン放送のテレフォン人生相談も大好きなので、人生の折り返し地点にいるおっさん世代にはぜひおすすめしたいです。