応募フォームから逆営業してくる企業に営業し返した話

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フリー素材サイトを10年も運営していると、幸せいっぱいな美談だけではなく、恐ろしくて笑えないトラブルも多くあります。

紆余曲折なストーリーの上で成り立っている我ら「ぱくたそ」に起きた話を、面白おかしくラジオで語ってみようかと思っていたのですが、NGワード多すぎて編集が面倒なのでブログにしてみました。

応募フォームからの逆営業

「ぱくたそ」には「協賛・スポンサーの応募フォーム」という仕組みがあります。

無料で運営する「ぱくたそ」を支援していただく一貫として、協賛費用をお支払いいただいたらお礼にバナーを掲載するという仕組みです。

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通常のバナー広告と何が違うのかというと、主目的は「ぱくたそ」を支援していただくことであって、バナー掲載はおまけに過ぎません。そのため、広告資料はありませんし、流入の促しやクリック保証もないです。(事前審査によって掲載を見送るケースもあります。)

ここでは名前を伏せますが、バナー掲載なしで協賛してくださる企業様には感謝です。

今回紹介するのは、この協賛・スポンサー広告のお申し込みフォームに、まったく関係のない文言を入れて逆営業をかけてくる企業様が一定数いて、そんな企業様に更に営業をかけるといったやり取りを公開していこうと思います。(企業名は伏せます)

届いた投稿内容はこちら、

★ 企業例1  -------

貴社運営サイトの広告枠を高く買い取らせていただきたくご連絡いたしました。弊社はgoogleについで世界2位のリーチ数を誇るフランスのアドネットワーク企業です。現在、貴サイトのようなクオリティの高いメディア様とのお取引に注力しております。簡単に説明すると現在ご利用中のネットワーク広告の類ですが、以下の点で優れています。

・支払単価が最も高く
・インプレッション単位でお支払い
・最低価格保証のため、リスクがありません。

打ち合わせにて内容をご説明させていただきたいのですが、
ご担当者様のご都合のよろしいお時間をお伺いしてもよろしいでしょうか。
ご訪問にて、詳細をご案内いたします。


★ 企業例2  -------

ご担当者様

突然のご連絡失礼いたします。

弊社 xxxxxx の広告を掲載させていただきたく、ご連絡いたしました。

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SSPとは
広告収益最大化プラットフォーム。接続している広告事業者の中でオークションを行い、一番収益が高い広告を配信します。
⇒☆課金形態は表示課金で、 最低価格を設定できるので高単価広告のみ配信可能!

xxxxとは
xxxxxが提供するSSP。⇒☆自社案件が豊富で、国内トップクラスの案件数を保有しています。
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★ 企業例3  -------

突然のご連絡、恐れ入ります。xxxxx と申します。弊社は複数の専門部門を持つ、英国のデジタルエージェンシーです。英国で最も急成長しているデジタルマーケティングエージェンシーとして、世界を牽引するグローバル企業と協業を重ねてまいりました。サイトを拝見させて頂き、弊社ライターより寄稿する記事の掲載もしくはタイアップ記事にご協力を頂けないかと考えご連絡致しました。

広告はオンラインリンクを添付することで「購買」を促すものではなく、サイトのPV数向上、SEO上の効果向上のための施策となります。バックリンク内容は、サイトの信頼性を失うことなく、また読者の方にとって有益な情報提供となるような形でリンクを掲載していただければと考えております。※ステルスマーケティングのように、商品の宣伝を担っていただくものではございません。

逆営業する企業のイメージは悪いです

協賛・スポンサー広告のお申込みフォームに一切関係のない自社を売り込むスタイルの逆営業投稿は本当に迷惑です。お問い合わせフォームを設けている方なら共感していただけると思いますが、連日スパムのような投稿のおかげで通常のお問い合わせが埋もれて見落とすことも多いです。

結構大きめな会社さんや過去に一度取引がある会社さんから投稿されてくるので「信用なくなるし、大丈夫かよ」と心配になる一方、スパム的な投稿を見て開封労力の無駄にイラつくこちらの身にもなれよと残念な気持ちでいっぱいです。

さて普段は、このような文面の投稿はスルーしているのですが、実は逆営業と同時に協賛・スポンサー広告の申し込みをしているのではないかとポジティブに考えてみたら、

逆営業しないと申し込めない、恥ずかしいやつなのか!正直に言えよ♥

という思いやりの心が出てきまして、逆営業に興味があるフリをして、協賛・スポンサー広告の営業をしてみることにしました。余談ですが、企画コラボでも同じような営業をしたことがあります。

ありのままに話すぜ!忍者屋敷の会社に乗り込んだらコラボが実現した話 - ぱくたそ公式ブログ

ぱくたそのお家芸のような内容です。時間があったら読んでください。

逆営業する企業に営業していく

というわけで、逆営業してきた数社にメールを返してみることにしました。流れとしてはこんな感じ

この度は協賛・スポンサー広告のお申し込みありがとうございます。下記、お申し込み内容につきまして、----(届いた内容)ご確認いたしました。

~~~~~~~~~

(サービス内容についての反応を書く)

つきましては、一度ボイスチャットにてお話ができたらと思います。事前に何か資料等用意するものなどありましたらお知らせください。


以上です。

一応、表題には協賛・スポンサー広告の件であることは表記しておきます。

この内容を送信するとだいたい7割くらいの会社から返事がきます(釣れます)。担当者さんと打ち合わせの日程を決めてボイスチャットがはじまります。

- ボイスチャット当日

プレゼンテーション用のパワポ資料が送られてきます。具体的には、「どのように改善するか」とか、「Googleアドセンスより収益アップする」とか、「他社の有料素材を挿入したら収益アップしますよ」とか、「サイトのコンサルを行いSEOやリスティングを代行する」とか、まぁそういった営業話を1時間程度受けます。確かにタメになる話もあって、業界を知れるのはいいことだと頷きながら聞くわけですが、そもそも興味がないので、説明が終わった段階でこちらの営業ターンになります。

「御社のサービス説明ありがとうございます。さて、お申し込みになった協賛・スポンサー枠ですが、基本的に事前審査がありまして、どのようなきっかけでご支援されたいと思ったのでしょうか?またどこでぱくたその協賛・スポンサーを知ったのでしょうか?」

といった質問を投げると、

「えっ?」


全員が同じ反応をしてくれます。笑

でも、そこはさすが営業マンです。歌舞伎町に巣食う強靭メンタルのスカウト並に切り替えしてきます。


御社は有名なサイト様ですので、広告枠以上に収益が向上するご提案だと思いお申し込みさせていただきました。


といった言い分です。(いや迷惑だから・・・)

ちなみに数社とこういったやり取りをしたんですが、どこも同じ切り返しをしてくるので、これテンプレ化されてるんですかね。

こちらも経験則じゃ負けません。感謝の意を伝えながら

協賛・スポンサー枠になっていただくと更に潤うので大変ありがたいお話です。それでは、今回のお話で審査は無事通過となりますので掲載期間はいつから開始できますでしょうか?」


っという流れで説明すると、一気に声のトーンは低くなり、「一度ご検討させてください」と逃げる人、「説明した時間が無駄でしたねw」と逆営業からの逆ギレで草生える人がいて最高にCoolでした。

ちなみに個人的にツボったMVPは、すべて説明したあと「協賛・スポンサーって何ですか?」と聞いてくる天然君でした。

結局、逆営業してきた会社から、協賛・スポンサー枠になっていただける企業様はゼロ。かなしい。

中にはいい担当者もいる

時間の無駄感はんぱないやり取りでしたが、唯一救いだと感じる出来事もありました。

某企業の担当者(それなりに役職のある人)と打ち合わせをした際、こちらのターンで協賛・スポンサーの営業をかけたところ、

「弊社は予算がないので難しいですが、弊社が関わっている別のサービスなら掲載可でした」と返事をいただく出来事がありました。

嘘やろと思いつつ、無駄な労力が報われるのかという思いから具体的な話を聞いたら出会い系でプチアダルトの婚活サイト。掲載不可でフィニッシュです。

悪気があるのかないのかは置いといて、少しでも動いてくれるって嬉しいですね。ありがとうございました。なぜかその企業の担当者様とは、会社を退社した今でも仲良くさせてもらっています。スパムでもスルーし続けていたら、こういう機会はなかったわけで、人と話すって何があるのかわからないもんです。

以上、そんなお話でした。逆営業はまじで迷惑なのでしないでね。